持ち家か賃貸か、どちらを選ぶ?お金と暮らし方から考える
家賃を毎月払い続けるなら、家を買った方がよいのではないか。
住宅ローンに縛られるくらいなら、賃貸の方が気楽なのではないか。
住まいを考えるとき、多くの人が一度は、
持ち家と賃貸、結局どちらが得なのだろう
と悩みます。
持ち家には、自分の家を持つ安心感があります。
住宅ローンを返し終えれば、家賃の支払いはなくなります。間取りを変えたり、設備を交換したりしやすいことも魅力です。
一方、賃貸は引っ越しやすく、建物の大規模な修繕を自分で手配する必要がありません。
仕事、家族構成、収入、健康状態が変わったときに、暮らしに合わせて住み替えやすいという強みがあります。
日本の持ち家住宅率は、長期的に60%前後で推移しています。持ち家を選ぶ人の方が多いものの、賃貸も多くの世帯に選ばれており、どちらか一方が全員にとって正解という状況ではありません。
結論からいうと、
同じ地域に長く住み、収入と生活が安定しているなら持ち家。
住む場所や働き方が変わる可能性が高く、身軽さを優先するなら賃貸
が向いています。
ただし、「家賃と住宅ローンの月額が同じだから買った方が得」という単純な比較はできません。
持ち家には、
- 固定資産税
- 火災・地震保険
- 修繕費
- 設備の交換費
- 購入時の諸費用
- 売却時の費用
などがかかります。
賃貸にも、
- 家賃
- 管理費・共益費
- 更新料
- 引っ越し費用
- 駐車場代
- 高齢期に借りにくくなる可能性
などがあります。
大切なのは、
どちらが一般的に得か
ではなく、
自分はどのような暮らしを、何年くらい続けたいのか
を考えることです。
結論:お金だけではなく「変化への強さ」で選ぶ

持ち家と賃貸の違いを簡単に表すと、次のようになります。
持ち家
- 同じ場所へ長く住みやすい
- 自分好みに変更しやすい
- 住宅ローン完済後は住居費を抑えやすい
- 家や土地が資産として残る可能性がある
- 修繕や税金を自分で負担する
- 簡単には引っ越せない
賃貸
- 生活の変化に合わせて住み替えやすい
- 大規模修繕は基本的に所有者側が行う
- 初期費用を比較的抑えやすい
- 住宅ローンを抱えない
- 家賃の支払いが続く
- 間取りや設備を自由に変えにくい
持ち家は、暮らしを固定する代わりに、自分の住まいを作りやすい選択です。
賃貸は、自分の資産にはなりませんが、暮らしを変えやすい選択です。
どちらが向いているかは、現在の収入だけではなく、
- 今後の転勤や転職
- 結婚や離婚
- 子どもの独立
- 親の介護
- 自分の健康
- 車を運転できる期間
- 老後に住みたい場所
まで考えると見えやすくなります。
「家賃を払い続けるのはもったいない」は本当?
賃貸について、よく聞くのが、
家賃を何十年払っても、自分のものにならない
という意見です。
確かに、家賃を支払っても建物や土地の所有権は得られません。
一方で、家賃は単に消えているお金ではありません。
家賃を払うことで、
- 住む場所
- 建物の利用
- 設備
- 管理
- 大規模修繕
- 住み替えられる自由
を得ています。
ホテル代や交通費と同じように、サービスを利用するための費用です。
持ち家でも、住宅ローンの返済額がすべて資産になるわけではありません。
返済には利息が含まれ、購入時には登記や融資、仲介などの諸費用がかかります。
さらに、建物は年数とともに劣化し、修繕や設備交換も必要になります。
そのため、
家賃は捨てるお金
住宅ローンはすべて自分の資産
とは単純に分けられません。
「住宅ローンと家賃が同じ」でも支出は同じではない
例えば、
- 家賃:月8万円
- 住宅ローン:月8万円
なら、購入した方が得に見えます。
しかし、持ち家では住宅ローン以外にも費用が発生します。
購入時
- 頭金
- 仲介手数料
- 登記費用
- 住宅ローンの融資手数料
- 火災・地震保険
- 不動産取得税
- 引っ越し費用
- 家具や家電
所有中
- 固定資産税・都市計画税
- 火災・地震保険
- 外壁や屋根の修繕
- 給湯器などの設備交換
- 庭や外構の管理
- マンションの場合は管理費・修繕積立金
売却時
- 仲介手数料
- 登記関係費用
- 引っ越し費用
- 状況によっては修繕や解体費
国土交通省の住宅市場動向調査でも、住宅取得時には物件価格以外に、家具・家電などの耐久消費財を購入する世帯が多いことが示されています。
比較する場合は、
月々の住宅ローン返済額
だけでなく、
税金・保険・修繕を含めた年間の住居費
で考える必要があります。
持ち家のメリット1:自分の暮らしに合わせやすい
持ち家では、所有者として住まいを変更しやすくなります。
例えば、
- 壁紙を替える
- 棚を取り付ける
- ペット向けの設備を作る
- 断熱性能を高める
- キッチンや浴室を交換する
- 将来に備えて手すりを付ける
- 段差をなくす
- 防音対策をする
などです。
賃貸では、退去時に元の状態へ戻す必要があり、自由に工事できないことがあります。
長く住む家を、自分や家族の暮らしに合わせて育てていきたい人には、持ち家が向いています。
持ち家のメリット2:住宅ローン完済後の負担を抑えやすい
住宅ローンを完済すれば、毎月の元利返済はなくなります。
老後の収入が年金中心になったとき、家賃を払い続けなくてよい点は安心材料になります。
ただし、完済後も住居費がゼロになるわけではありません。
- 固定資産税
- 保険料
- 修繕費
- 設備交換費
- マンションの管理費・修繕積立金
などは続きます。
特に築年数が進むと、
- 外壁
- 屋根
- 給湯器
- 水回り
- 暖房設備
などの修理が重なる可能性があります。
「ローンが終われば住居費はかからない」と考えるのではなく、老後も修繕費を準備しておく必要があります。
持ち家のメリット3:資産として残る可能性がある
持ち家は、土地や建物を所有します。
将来、
- 売却する
- 賃貸へ出す
- 子どもへ相続する
- 土地を活用する
といった選択肢が生まれる可能性があります。
ただし、購入価格以上で売れるとは限りません。
住宅の価値は、
- 地域
- 駅や商業施設への距離
- 人口動向
- 土地の需要
- 建物の状態
- 災害リスク
- 管理状況
などで変わります。
建物の価値が下がっても、土地に需要があれば売却できる場合があります。
反対に、人口が減少する地域や交通が不便な場所では、買い手が見つかりにくいこともあります。
2023年の住宅・土地統計調査でも、全国の空き家増加が確認されており、「家を持てば必ず高く売れる」とは考えにくい状況です。
持ち家を資産として考えるなら、建物の広さだけでなく、将来売却しやすい場所かどうかも重要です。
持ち家のデメリット1:簡単に移動できない
持ち家を購入すると、生活の拠点が固定されます。
その後、
- 転勤
- 転職
- 離婚
- 家族との同居
- 親の介護
- 近隣環境の変化
- 災害
- 収入の減少
などが起きても、すぐに引っ越せるとは限りません。
売却しようとしても、
- 買い手が見つからない
- 希望価格で売れない
- 住宅ローン残高より安くしか売れない
ことがあります。
「今、この家が必要か」だけでなく、
10年後、20年後もこの場所に住みたいか
を考える必要があります。
持ち家のデメリット2:修繕の責任を自分で負う
賃貸では、通常の使用による建物や設備の不具合は、所有者や管理会社が対応することが一般的です。
持ち家では、自分で修理業者を探し、費用を負担します。
例えば、
- 給湯器が壊れた
- 雨漏りした
- 外壁が傷んだ
- 水道管に不具合が出た
- 暖房設備を交換した
- 屋根の補修が必要になった
といった場合です。
修繕は毎月均等に発生するわけではありません。
何年も大きな出費がない一方で、ある年に100万円単位の工事が重なる可能性もあります。
毎月のローンが払えるかだけでなく、急な修繕費を準備できるかも確認したいところです。
持ち家のデメリット3:住宅ローンには金利リスクがある
住宅ローンには、大きく分けて、
- 変動金利型
- 固定金利期間選択型
- 全期間固定金利型
があります。
変動金利型は、一般的に当初の金利が固定型より低い一方、市場金利が上昇すると、将来の利息や返済負担が増える可能性があります。
全期間固定金利型は、借入時に返済終了までの金利が決まり、返済計画を立てやすい一方、借入時点では変動型より金利が高いことがあります。住宅金融支援機構も、変動金利では将来の金利上昇リスクを借り手が負い、全期間固定では返済終了までの金利が確定すると説明しています。
住宅ローンを選ぶ際は、
今払えるか
だけでなく、
金利や収入が変化しても払えるか
を見る必要があります。
住宅ローン控除があるから買った方が得?
一定の要件を満たす住宅を住宅ローンで取得すると、住宅ローン控除を受けられる場合があります。
控除の対象となる住宅、借入限度額、控除期間などは、入居年や住宅性能、世帯条件によって異なります。
ただし、控除があることだけを理由に、住宅を購入するのは避けた方がよいでしょう。
住宅ローン控除は、住宅購入費をすべて補ってくれる制度ではありません。
そもそも納めている所得税・住民税や、適用要件によって、実際に受けられる金額は変わります。
制度は将来変更される可能性もあるため、購入を決める際には最新条件の確認が必要です。
賃貸のメリット1:暮らしの変化に対応しやすい
賃貸の大きな利点は、引っ越しやすいことです。
例えば、
- 転職したので職場の近くへ移る
- 子どもが生まれたので広い部屋へ移る
- 子どもが独立したので小さな部屋へ移る
- 車を運転しなくなったので駅や病院の近くへ移る
- 収入が減ったので家賃の安い部屋へ移る
- 近隣環境が合わないので移る
ことができます。
もちろん、引っ越し費用や新しい契約費用はかかります。
それでも、土地や建物を売却する必要がないため、持ち家より動きやすいのが特徴です。
生活の変化が予測しにくい人にとっては、この自由度に大きな価値があります。
賃貸のメリット2:大規模な修繕を自分で抱えにくい
賃貸では、通常の使用で建物や備え付け設備に不具合が起きた場合、貸主や管理会社へ連絡します。
所有者側が対応する修繕であれば、入居者が工事業者を選び、費用を全額負担する必要はありません。
そのため、
- 外壁
- 屋根
- 共用部分
- 給湯設備
- 建物全体の配管
など、大きな修繕費を直接抱えにくい点は安心です。
ただし、入居者の故意・過失による破損や、契約上入居者負担と定められたものについては、費用が発生する場合があります。
賃貸のメリット3:家族構成に合わせて広さを変えられる
住宅を購入すると、そのとき必要だった広さを長期間維持することになります。
子どもが小さい間は広い家が必要でも、独立後は部屋が余ることがあります。
賃貸なら、
- 一人暮らし:1K・1LDK
- 夫婦:1LDK・2LDK
- 子育て中:2LDK・3LDK
- 子どもの独立後:小さな部屋
というように、必要な広さへ住み替えられます。
使っていない部屋のために、長期間費用や管理の負担を抱えずに済みます。
賃貸のデメリット1:家賃の支払いが続く
賃貸では、住み続ける限り家賃を支払います。
高齢になり収入が減っても、家賃が自動的になくなるわけではありません。
また、
- 家賃の値上げ
- 更新料
- 管理費
- 駐車場代
などが発生する場合があります。
老後も賃貸を続けるなら、
年金や貯蓄で家賃を払い続けられるか
を早めに考えておく必要があります。
持ち家と違い、住宅ローン完済という終点はありません。
賃貸のデメリット2:希望どおりに変更しにくい
賃貸では、
- 壁へ大きな穴を開ける
- 間取りを変える
- キッチンを交換する
- 窓の断熱工事をする
- ペット向け設備を固定する
といった変更が自由にできない場合があります。
ペットの飼育、楽器の演奏、事務所利用などが制限される物件もあります。
自分の生活にぴったり合わせた住まいを作りたい人には、窮屈に感じることがあります。
賃貸のデメリット3:高齢期の住み替えに不安がある
賃貸では、年齢や収入、保証人などの条件によって、希望する物件を借りにくくなることがあります。
すべての高齢者が契約できないわけではありませんが、若い頃と同じように自由に選べるとは限りません。
老後も賃貸を選ぶ場合は、
- 高齢者の入居に対応する物件
- 家賃保証会社
- 公営住宅
- サービス付き高齢者向け住宅
- 家族や支援者との連携
なども含めて、早めに選択肢を調べておくと安心です。
持ち家なら老後は安心なのか
持ち家があれば、老後の住まいが必ず安泰とは限りません。
築年数が進んだ家では、
- 修繕費が増える
- 断熱性能が低い
- 階段が負担になる
- 車がないと生活しにくい
- 病院や買い物が遠い
- 雪かきや庭の管理が難しい
といった問題が出ることがあります。
若い頃には快適だった郊外の一戸建てが、高齢になると負担になることもあります。
持ち家を選ぶなら、
一生そのまま住めるか
ではなく、
高齢になったときに修繕・改修・売却・住み替えができるか
まで考える必要があります。
賃貸なら老後も身軽なのか
賃貸なら建物の修繕責任は軽くなりますが、家賃の支払いは続きます。
収入が減った後も、
- 家賃
- 管理費
- 更新料
- 引っ越し費用
を準備しなければなりません。
また、元気なうちに住み替えを行わず、身体が弱ってから新しい物件を探すと、選択肢が狭くなる可能性があります。
賃貸で老後を暮らすなら、
何歳ごろまでに、どの地域の、どの程度の家賃へ移るか
を考えておくと現実的です。
地方では「家を買った方が安い」とは限らない
地方では、都市部より土地や中古住宅が安い場合があります。
月々の住宅ローン返済額が家賃より低く見えることもあります。
しかし、地方の持ち家では、
- 車が必要
- 除雪が必要
- 庭や土地の管理が必要
- 売却時に買い手が少ない
- 空き家になった後の管理が必要
という負担もあります。
購入価格が安くても、売りたいときに売れない場合があります。
地方の住宅では、
買える価格か
だけでなく、
将来手放せる住宅か
も確認する必要があります。
マンションなら修繕を考えなくてよい?
分譲マンションでは、建物全体の修繕を管理組合が計画します。
戸建てのように自分一人で外壁や屋根の工事を手配する必要はありません。
ただし、
- 管理費
- 修繕積立金
- 駐車場代
などを毎月支払います。
将来、修繕積立金が値上げされたり、大規模修繕で一時金が必要になったりする場合もあります。
マンションを購入するときは、室内だけでなく、
- 長期修繕計画
- 修繕積立金の残高
- 管理状態
- 空室の状況
- 駐車場
- 管理組合
も確認したいところです。
戸建てなら管理費がかからない?
戸建てには、マンションのような毎月の管理費や修繕積立金がない場合が多いでしょう。
しかし、修繕費が不要という意味ではありません。
マンションは毎月積み立てる形ですが、戸建ては自分で準備します。
外壁や屋根などの工事時期に、まとまった金額が必要になります。
毎月の管理費がない分を自由に使ってしまうのではなく、
自宅の修繕積立金
として別に確保しておく方が安心です。
住宅は「買える金額」より「払い続けられる金額」
金融機関から借りられる金額と、無理なく返せる金額は同じではありません。
住宅購入後にも、
- 子どもの教育費
- 車の買い替え
- 親の介護
- 病気や休職
- 事業収入の変動
- 自宅の修繕
- 老後資金
などが必要です。
国土交通省の調査では、住宅選びで妥協した項目として、「価格・家賃が予定より高くなった」が各住宅種別で多く挙げられています。
住宅ローンを組む場合は、
今の最大収入で払える金額
ではなく、
収入が少し減っても、貯蓄を続けながら払える金額
を目安にした方が安全です。
頭金は多い方がよい?
頭金を多く入れると、借入額や利息負担を減らせます。
一方、貯金の大半を頭金へ使うと、購入後の修繕や病気、失業などに対応できなくなります。
住宅購入では、頭金だけでなく、
- 購入時の諸費用
- 引っ越し
- 家具・家電
- 当面の生活費
- 緊急予備資金
を残しておく必要があります。
貯金をすべて使って住宅ローンを小さくするより、手元資金を確保した方が安心できる場合もあります。
何年住むなら持ち家が有利?
「何年以上なら持ち家が得」という一律の年数はありません。
購入価格、家賃、金利、修繕費、税金、売却価格によって変わるからです。
ただし、短期間で住み替える可能性が高い人は、購入時と売却時の費用を回収しにくくなります。
反対に、同じ住宅へ長期間住むほど、購入時の費用を長い年月へ分散できます。
目安として考えたいのは、
少なくとも今後10年ほど、その地域へ住む可能性が高いか
です。
ただし、10年住めば必ず得という意味ではありません。
購入を検討するための一つの確認項目です。
持ち家が向いている人

次の項目が多く当てはまる人は、持ち家が向いている可能性があります。
- 今後も同じ地域で暮らす予定
- 仕事や収入が比較的安定している
- 家族構成がある程度固まっている
- 間取りや設備を自分好みにしたい
- ペットや趣味の制限を減らしたい
- 修繕費や税金を準備できる
- 老後も住み続けたい場所が決まっている
- 将来売却しやすい地域を選べる
- 住宅ローン以外の貯蓄も続けられる
すべてに当てはまる必要はありません。
ただし、「家賃がもったいない」という理由だけで購入するより、暮らしの条件が整っているかを確認することが大切です。
賃貸が向いている人
次の項目が多く当てはまる人は、賃貸が向いている可能性があります。
- 転勤や転職の可能性がある
- 将来住みたい地域が決まっていない
- 家族構成が変わる可能性が高い
- 住宅ローンを長期間抱えたくない
- 修繕や建物管理をしたくない
- 収入に変動がある
- 身軽に引っ越したい
- 通勤や生活の便利さを優先したい
- 住宅購入より貯蓄や事業へお金を回したい
- 一人暮らしや夫婦二人で広い家が不要
賃貸を選ぶことは、家を買えないから仕方なく選ぶことではありません。
変化に対応しやすい住み方を選んでいると考えられます。
迷ったときの7つの質問

1.10年後もこの地域に住みたいか
仕事や家族の事情を含めて考えます。
2.収入が減っても住宅費を払えるか
現在の収入だけで判断しません。
3.修繕費を別に積み立てられるか
住宅ローン以外の負担も考えます。
4.家族構成は大きく変わらないか
広さが将来も合っているか確認します。
5.高齢になっても暮らしやすい場所か
病院、買い物、交通、除雪なども見ます。
6.売りたいときに売れそうか
土地や建物の将来性を確認します。
7.家を持つことに安心を感じるか、負担を感じるか
数字だけでなく、心理的な相性もあります。
持ち家と賃貸の費用を比べる方法
月額だけではなく、20年、30年単位で試算します。
持ち家で含める費用
- 頭金
- 住宅ローン元利返済
- 購入時の諸費用
- 固定資産税
- 保険
- 修繕
- 管理費・修繕積立金
- 売却費用
- 売却できた場合の金額
賃貸で含める費用
- 初期費用
- 家賃
- 管理費
- 更新料
- 駐車場代
- 引っ越し費用
- 将来の家賃変動
ただし、30年後の金利、家賃、修繕費、売却価格を正確に予測することはできません。
一つの結果だけを見るのではなく、
- 楽観的なケース
- 標準的なケース
- 厳しいケース
の三通りで試算すると、判断しやすくなります。
「一生賃貸」か「一生持ち家」の二択ではない
住まいは、生涯同じ選択を続けなければならないものではありません。
例えば、
- 若い頃は賃貸
- 家族構成が固まったら持ち家
- 子どもが独立したら売却
- 老後は小さな賃貸やマンションへ移る
という選択もあります。
反対に、
- 子育て中は広い賃貸
- 老後に小さな中古住宅を現金で購入する
という方法もあります。
持ち家か賃貸かを、人生全体で一度だけ決める必要はありません。
今の生活段階に合う方を選び、将来は見直すという考え方もできます。
中古住宅という中間の選択肢
持ち家を考えるとき、新築だけが選択肢ではありません。
中古住宅なら、
- 購入価格を抑えやすい
- 実際の建物や周囲を確認できる
- すでに形成された地域環境を見られる
- 必要な部分だけ改修できる
という利点があります。
一方で、
- 耐震性
- 断熱性
- 雨漏り
- シロアリ
- 配管
- 修繕履歴
- 境界
- 再建築の可否
などを確認する必要があります。
購入価格が安くても、改修費を含めると新築に近づくことがあります。
中古住宅では、建物の状態を専門家へ確認してもらう方法も検討したいところです。
住宅購入を急がない方がよい場合
次のような状況では、急いで購入せず、賃貸を続けながら考える方がよい場合があります。
- 転職したばかり
- 独立直後で収入が安定していない
- 結婚や離婚の可能性がある
- 親の介護場所が決まっていない
- 今の地域に住み続けるか迷っている
- 頭金を払うと貯金がほとんど残らない
- 住宅ローン返済で生活がぎりぎりになる
- 「周囲が買っているから」という焦りが大きい
住宅は高額で、簡単に買い直せるものではありません。
迷いが大きいときに、無理に決断する必要はありません。
賃貸を続けながら準備できること
すぐに購入しなくても、将来に向けて準備できます。
- 頭金や諸費用を貯める
- 希望地域の相場を見る
- 中古住宅も確認する
- 住宅ローンの仕組みを学ぶ
- 毎月の住居費上限を決める
- 老後の住まい方を考える
- 災害リスクを確認する
- 家族で希望を話し合う
「今買わない」という選択は、何もしないことではありません。
条件が整うまで待つという判断です。
まとめ:得か損かより、自分の変化に合う方を選ぶ
持ち家と賃貸のどちらが得なのか。
全員に共通する答えはありません。
持ち家の特徴
- 自分好みの住まいを作りやすい
- ローン完済後は負担を抑えやすい
- 資産として残る可能性がある
- 修繕・税金・金利の負担がある
- 引っ越しにくい
賃貸の特徴
- 住み替えやすい
- 大規模修繕を抱えにくい
- 家族構成に合わせやすい
- 家賃の支払いが続く
- 自由に改修しにくい
同じ地域へ長く住み、生活と収入が安定している人は、持ち家の利点を生かしやすくなります。
仕事や家族構成が変わる可能性があり、暮らしの自由度を優先する人には、賃貸が向いています。
持ち家は安心、賃貸は自由。
ただし、持ち家にも売却や修繕の不安があり、賃貸にも家賃や老後の不安があります。
どちらを選んでも、すべての不安がなくなるわけではありません。
大切なのは、
どちらが世間で得といわれているか
ではなく、
自分がどの不安なら受け入れられるか
を考えることです。
ハテナさんのひとこと

持ち家は「安心を買う選択」、賃貸は「身軽さを保つ選択」とも考えられるよ。
金額だけでなく、10年後の自分がどんな暮らしをしているか想像してみよう。
参考資料
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」
- 国土交通省「住宅市場動向調査」
- 住宅金融支援機構「住宅ローンの金利タイプ」
- 国税庁「住宅借入金等特別控除」

