日本人の平均睡眠時間は?自分は短い方なのか
「自分は人より睡眠時間が短いのだろうか」
毎日5時間ほどしか眠っていない人もいれば、7時間眠っても足りないと感じる人もいます。反対に、6時間ほどで自然に目が覚め、日中も特に眠くならない人もいます。
睡眠時間は数字で比べやすいため、「日本人の平均」を知れば、自分の睡眠が十分なのか判断できそうに思えます。
しかし、睡眠には年齢や体質による個人差があり、平均時間と同じなら問題ないとは限りません。
この記事では、日本人の睡眠に関する最新の公的調査を確認しながら、
- 日本人は実際にどのくらい眠っているのか
- 何時間から「短い」と考えられるのか
- 自分の睡眠が足りているか
- 平均以外に何を確認すればよいのか
を整理します。
結論:成人で6時間未満なら短い方と考えやすい
先に結論をまとめると、成人の睡眠時間には個人差がありますが、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが勧められています。
特に20~59歳では、6~8時間程度が適正な睡眠時間の一つの目安とされています。したがって、普段の睡眠が4~5時間程度であれば、日本人の中でも短い側と考えてよいでしょう。
ただし、
6時間以上眠っているから大丈夫
8時間眠れば必ず健康になる
と単純には判断できません。
睡眠時間に加えて、朝の休養感や日中の眠気、途中で何度も目が覚めていないかも確認する必要があります。
日本人の「平均睡眠時間」は一つではない
日本人の平均睡眠時間を調べると、調査によって異なる数字が出てきます。
これは、調査方法や対象者が違うためです。
例えば、睡眠に関する調査には次のような違いがあります。
- 実際の一日の行動を記録する調査
- 「普段は何時間眠るか」を本人に尋ねる調査
- 平日と休日を含めた平均
- 働く世代だけを対象にした調査
- 子どもや高齢者を含む調査
- 布団に入っている時間を答える調査
- 実際に眠っている時間を答える調査
総務省の「社会生活基本調査」は、一日の行動を15分単位で記録し、睡眠を含む生活時間を集計しています。一方、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」は、直近1か月の一日平均睡眠時間を本人に尋ねています。
そのため、「日本人の平均は何時間」と一つの数字だけを見るより、自分と近い年代の睡眠時間帯を見る方が実用的です。
最新調査では、適正範囲に入る人は56%
厚生労働省の令和6年「国民健康・栄養調査」では、20歳以上を対象に、直近1か月の一日平均睡眠時間を調べています。
その結果、
- 20~59歳:6時間以上9時間未満
- 60歳以上:6時間以上8時間未満
という範囲に入っていた人は、全体の**56.0%**でした。
男女別では、
- 男性:56.1%
- 女性:55.9%
となっています。
つまり、国が目安としている範囲に入っている人は、全体の6割に届いていません。
「周りも短いから大丈夫」と感じるかもしれませんが、短時間睡眠の人が多いことと、その睡眠時間が健康上十分であることは別の問題です。
日本人の半数近くは目安の範囲外
適正とされる範囲に入っている人が56.0%ということは、残りの約44%は、
- 睡眠時間が短い
- 反対に長すぎる
- 年齢に応じた目安の範囲外
のいずれかに当てはまることになります。
ただし、範囲外の人がすべて睡眠不足という意味ではありません。
必要な睡眠時間には個人差があります。年齢が高くなるにつれて必要な睡眠時間は少しずつ短くなる傾向もあります。
厚生労働省の解説では、必要な睡眠時間の目安は、
- 25歳ごろ:約7時間
- 45歳ごろ:約6.5時間
- 65歳ごろ:約6時間
と、成人後は20年ごとに約30分ずつ短くなる傾向が紹介されています。
したがって、20代の5時間と、70代の5時間を同じ基準だけで比べることはできません。
年代別に見る睡眠時間の目安

厚生労働省の情報をもとにすると、成人の大まかな目安は次のように整理できます。
| 年代 | 睡眠時間の考え方 |
|---|---|
| 20~30代 | 7時間前後を必要とする人が多い |
| 40~50代 | 6~8時間程度が一つの目安 |
| 60代以降 | 必要時間は徐々に短くなる傾向 |
| 高齢者 | 寝床で長く過ごしすぎないことにも注意 |
20~59歳については、少なくとも6時間以上を確保することが推奨されています。
一方、高齢者は若い頃ほど長時間眠れなくなるのが自然であり、眠れないからと長く寝床にいると、かえって睡眠の質が下がる場合があります。厚生労働省は高齢者について、床上時間が8時間以上にならないことを目安として示しています。
自分の睡眠時間を判定してみる
成人の場合は、まず次のように考えると分かりやすいでしょう。
4時間未満
かなり短い睡眠時間です。
一時的に短くなる日は誰にでもありますが、毎日のように続いている場合は、生活時間の見直しが必要です。
4~5時間台
一般的には短い側です。
本人が慣れているつもりでも、日中の集中力低下や眠気に気づいていない可能性があります。
6時間台
成人の最低限の目安には入ります。
ただし、朝のだるさや日中の強い眠気があるなら、自分には足りていない可能性があります。
7時間台
多くの成人にとって適正範囲に入りやすい時間です。
ただし、途中で何度も目が覚める場合や、起床後も疲れが残る場合は、時間だけでは判断できません。
8時間以上
成人でも適正な人はいます。
ただし、高齢者が必要以上に長く寝床で過ごすと、睡眠が浅くなったり、中途覚醒が増えたりする場合があります。
4~5時間睡眠なら、日本人の中でも短い方?
日常的に4~5時間しか眠っていないのであれば、短い方と考えてよいでしょう。
厚生労働省は、働く世代では6時間未満の人が約35~50%、5時間未満の人も約5~12%いると紹介しています。年代や性別によって差はありますが、4時間台は多数派ではありません。
ただし、日本人の中で短いかどうか以上に重要なのは、
自分に必要な睡眠時間を確保できているか
です。
例えば、5時間睡眠で次のような状態があるなら、睡眠不足を疑う材料になります。
- 起床時に頭がぼんやりする
- ベッドからなかなか出られない
- 午前中から眠い
- 午後に強い眠気がある
- 休日に2時間以上長く眠る
- 会議や読書中に眠くなる
- 集中力や判断力が落ちる
- イライラしやすい
- カフェインがないと活動しにくい
睡眠時間が平均より短くても、日中に問題がなければ直ちに病気とはいえません。しかし、眠気や不調がある場合は、「自分は短時間睡眠で平気な体質」と決めつけない方が安全です。
長く眠ったのにだるいのはなぜ?
普段4~5時間しか眠っていない人が、急に7~8時間眠ると、かえってだるく感じることがあります。
考えられる理由の一つは、長時間睡眠そのものではなく、普段と違う時間に起きたことで体内時計や起床のタイミングがずれたことです。
また、深い睡眠の途中で目覚ましに起こされると、起床後に頭がぼんやりする「睡眠慣性」が強く出る場合があります。
ただし、長く眠ると必ずだるくなるとは限りません。
睡眠時間を増やしても、
- 強い眠気が続く
- 頭がぼんやりする
- 疲労感が改善しない
- いびきが大きい
- 睡眠中に呼吸が止まると言われる
- 夜中に何度も目が覚める
といった状態が続く場合は、睡眠時間以外の問題が隠れている可能性があります。
「睡眠時間」だけでなく休養感を見る

厚生労働省は、良い睡眠を判断する目安として「睡眠休養感」を挙げています。
睡眠休養感とは、
朝起きたとき、睡眠によって十分に休めたと感じられるか
という感覚です。
令和6年の国民健康・栄養調査では、睡眠で休養がとれていると答えた人は全体で79.6%でした。
年代別では、
- 20~59歳:73.0%
- 60歳以上:86.1%
となっており、働く世代の方が休養感を得られていない傾向がみられます。
平均睡眠時間と同じかどうかよりも、次の状態を確認する方が、自分の睡眠を判断しやすくなります。
- 朝、ある程度すっきり目覚められる
- 起床後に活動を始められる
- 日中に耐え難い眠気がない
- 休日に極端な寝だめをしない
- 睡眠中に何度も目が覚めない
- 睡眠によって疲れが軽くなっている
布団に入っている時間と睡眠時間は違う
例えば、午後11時に布団へ入り、午前6時に起きたとしても、睡眠時間が7時間とは限りません。
- 寝つくまで30分かかった
- 夜中に20分起きていた
- 朝方に10分目が覚めていた
のであれば、実際に眠っていた時間は約6時間です。
厚生労働省も、中途覚醒で起きていた時間は睡眠時間に含めないと説明しています。
睡眠アプリやスマートウォッチの数字は参考になりますが、医療機器と同じ精度で睡眠段階を測っているわけではありません。
一晩ごとの細かい数値に一喜一憂するより、
- 就寝時刻
- 起床時刻
- 推定睡眠時間
- 途中で目覚めた回数
- 起床時の気分
- 日中の眠気
を数週間単位で記録すると、自分の傾向をつかみやすくなります。
休日の寝だめで睡眠不足は取り戻せる?
平日の睡眠不足を、休日に長く眠って補おうとする人は少なくありません。
休日に少し長く眠ることで、眠気が軽くなることはあります。しかし、慢性的な睡眠不足を週末の寝だめだけで完全に取り戻すことは難しいと、厚生労働省は説明しています。
休日に平日より2~3時間以上長く眠る状態は、平日に必要な睡眠を確保できていない可能性を示します。
理想は、
平日を削り、休日にまとめて眠る
のではなく、
毎日の睡眠時間を少しずつ確保する
ことです。
睡眠時間を増やすなら、急に2時間増やさなくてよい
普段4~5時間の人が、急に8時間眠ろうとしても、すぐには眠れないことがあります。
また、早く布団に入っても眠れず、寝床で長時間過ごすことで睡眠の質が落ちる場合もあります。
そのため、睡眠時間を増やすなら、
- 就寝時刻を15~30分早める
- 起床時刻は大きく動かさない
- 1~2週間続けて体調を見る
- 慣れたらさらに15~30分増やす
という方法が現実的です。
睡眠を「7時間にしなければ」と考えるのではなく、現在より30分増やしたときに、
- 朝の目覚め
- 午前中の眠気
- 日中の集中力
- 休日の寝だめ
- 疲労感
がどう変わるかを確認します。
自分に必要な睡眠時間を探す方法
自分に適した睡眠時間は、次の方法で探せます。
1.現在の睡眠を1~2週間記録する
就寝・起床時刻だけでなく、日中の眠気や起床時の気分も記録します。
2.睡眠時間を30分増やす
起床時刻をなるべく一定にし、就寝時刻を少し早めます。
3.数日ではなく1~2週間続ける
一晩だけ長く眠った結果では判断しません。
4.日中の状態を比べる
睡眠を増やしたことで、眠気や集中力が改善したなら、これまで睡眠が足りていなかった可能性があります。
5.さらに必要なら30分増やす
体調を見ながら調整し、自分が最も活動しやすい時間を探します。
平均より短くても大丈夫な人はいる?
必要な睡眠時間には個人差があるため、平均より短くても日中に問題なく過ごせる人はいます。
ただし、生まれつき極端に短い睡眠で健康を保てる人は一般的ではありません。
「昔から5時間だから慣れている」という場合も、本当に十分なのか、それとも眠気や能率低下に慣れてしまっただけなのかは、自分では判断しにくいことがあります。
平均より短いかどうかだけでなく、
- 目覚ましなしで自然に起きられるか
- 日中の眠気がないか
- 休日に長く眠らないか
- 睡眠を増やしたときに調子が良くならないか
を確認してみる方がよいでしょう。
受診を考えた方がよい目安
睡眠時間を確保し、生活習慣や寝室環境を見直しても、次のような状態が続く場合は、医療機関への相談を検討します。
- 日中の強い眠気で仕事や運転に支障がある
- 十分眠っても疲れが取れない
- 入眠まで長時間かかる
- 夜中や早朝に何度も目が覚める
- 大きないびきや呼吸停止を指摘された
- 脚の不快感で眠れない
- 気分の落ち込みと不眠が続く
- 生活改善を続けても状態が変わらない
厚生労働省も、生活習慣や睡眠環境を改善しても問題が続く場合、睡眠障害や更年期障害などが隠れている可能性に注意するよう案内しています。
まとめ:平均は現在地を知る目印
日本人の睡眠について、最新の厚生労働省調査では、年齢に応じた睡眠時間の目安に入っている人は56.0%でした。
成人では6時間以上が一つの目安であり、普段4~5時間程度しか眠っていないなら、一般的には短い方と考えられます。
ただし、平均は正解ではありません。
重要なのは、
- 自分の年代
- 朝の休養感
- 日中の眠気
- 途中で目覚める回数
- 休日の寝だめ
- 睡眠を増やしたときの変化
を含めて考えることです。
平均睡眠時間は、自分の睡眠が足りているかを考える入口にはなりますが、最終的な答えではありません。
平均と比べるだけでなく、翌日の自分がどのように過ごせているかを確認してみましょう。
ハテナさんのひとこと

平均より長いか短いかも気になるけれど、朝起きたときに「休めた」と感じられるかも大切。
まずは今より30分増やしたら、日中の調子がどう変わるか試してみよう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省「Good Sleepガイド」
- 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」
